4.仏教で幸せになる! 四諦・八正道 苦の種類と、その無くし方

初転法輪(初めての説法)

ブッダの初説法

http://what-buddha-said.net/gallery/index.php/The-Buddha-s-Life/pancavaggiya-the-group-five

梵天からのすすめを受けたブッダは、インド・ヴァラナシのサールナート(鹿野苑)で、5人の修行者達に初めて説法し、四つの真理と八正道を説いたとされています。

四聖諦(四つの真理)

1.苦諦 苦に関する真理(人生は苦である)

2.集諦 苦の原因に関する真理(苦の原因は妄執である)

3.滅諦 苦の滅に関する真理(妄執を滅すれば苦はなくなる)

4.道諦 滅する方法に関する真理(苦しみの止滅にいたる道が八正道である)

それぞれ、くわしく見ていきましょう。

1.苦諦

生も苦しみである。老も苦しみである。病も苦しみである。死も苦しみである。

愛さないものと会うことも苦しみである。愛するものと別離することも苦しみである。

すべて欲するものを得ないことも苦しみである。

要約していうならば、五種の執着の素因は苦しみである。

(律蔵)

日本では生まれることは「おめでとう」ですが、古代インドの人達は、苦と捉えていました。(輪廻思想)苦とは「思い通りにならないもの」を意味しています。

http://www.nichiren-etudes.net/articles/articles-images/samsara.htm

チベット仏画(タンカ)。輪廻の輪を回す冥界の神「ヤマ」は日本では閻魔。

怨憎会苦(嫌な奴と会う苦しみ)

愛別離苦(愛しい存在と別れる苦しみ)

求不得苦(求めても得られない苦しみ)

五蘊盛苦(心身の活動から、生きているだけで発生する苦しみ)

苦のまとめ

(生老病死)四苦+(怨憎会苦、愛別離苦、求不得苦、五蘊盛苦)=八苦

2.集諦

「愛」(欲望や執着)が苦の原因ということ。現代日本の流行歌は愛がナントカみたいな内容ばかりで、肯定的イメージの「愛」ですが、仏教ではあまりいい意味ではありません。

相手が自分を受け入れなければ憎しみに転じるような、そんな「自己都合」「執着」の含まれた感情を指します。

仏教では見返りを求めない愛のことは「慈悲」といいます。

3.滅諦

原因の渇愛(欲望・執着)をなくせば、苦はなくなるということ。ただし限度を超えて捨てろということではありません。仏教は中道を説き、理想とします。

例えば自分が我慢しすぎるのも、他人に押し付けるのも正しくない。そのバランスを探す。そういう視点や生活のことかなと。

ひろさちや先生は、真の中道は状態ではなく、理想を実現させようとする実践の中にあるとおっしゃっています。

4.道諦

人生は苦である。(苦諦)。苦は欲望から生まれる。(集諦)。欲望を滅することにより、苦をなくすことが可能だ。(滅諦)では、その方法は?

その方法が、八正道だと説かれます。

八正道

正しい見解 正見 

ありのままに正しく見る。

正しい思惟 正思惟

正しいものの考え方。仏教者にふさわしい慈悲、柔和な思考。

正しいことば 正語 

いつわり、中傷、悪口、むだ口を避ける。仏教者にふさわしい言葉。

正しい行い 正業 

戒を守り、仏教者にふさわしい行い。

戒…不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不飲酒

正しい生活 正命 

衣食住について貪らず、規則正しい生活。

正しい努力 正精進 

中道の精神に基づいた、怠惰と極端の両極を離れた努力。

正しい念い 正念 

失念(忘れること)を避けること。一瞬一瞬に注意を払い、油断せず心を保つ。

正しい瞑想 正定 

緊張でも弛緩でもない、集中とリラックスの両面を満たす瞑想。

八正道の構成(車の両輪のような関係)

八正道の意味

八正道の解釈

はバリエーションがありますが、要はこれを心がけて生きていたら、不健康にも不幸にもなりようがないよね、という教えです。

正念とは

原始仏教で「念」とは「Sati(サティ)気づき」の意味があります。

例えば新聞を読みながらご飯を食べる、という行為の反対です。ご飯を食べる時は、ご飯の味に集中する。

いまここに気づいていること

ご飯を食べながら、目の前のポテトサラダの味を思い浮かべていたら、いま口の中に入っているご飯の味はちゃんと味わっていないので、それも「今ここ」にいない例です。

ブッダのヴィパッサナー瞑想とは、生活すべての「今ここ」に集中することです。

事務書類なんかも、ボーっと書いていると記入欄を間違ったりするでしょう。そういう間違いをしないように生きる。

仏教講義、1.釈尊の根本的教え (3)八正道 (No3)

※なぜ、それでうつ病の人が良くなるのかは、ヴィパッサナー瞑想のページで解説します。

仏教者にふさわしい = 徳を積む

とは、戒を守るだけでなく、積極的に行動せよということです。実は戒を守ろうと決めるだけで、かなり人生は楽になってしまうのですが、さらに善行し徳を積めということですね。

※徳を積むことは、幸せの実現に大きな意味があります。徳の積み方や、積んでみた実験結果は別途お話します。

八正道は出家者のための実践論

実はエリート向けの教え

ひろさちや先生によれば、この四諦・八正道は基本的に出家者、つまり仏教エリートに説かれた教えだったそうです。

例えば、正命。規則正しい生活を送ろうと思っても、サラリーマンなら付き合いや残業などを無視できるわけでもないし、医者は深夜の急患を診る必要もある。

正語も、商売をしている人がちょっとしたお世辞やウソをついてもいけないとなると、世俗の中で職業を持って生きている人間に八正道の実践は不可能。

♯ 私は、坊さんや尼さんも、これ全部守れるのかなぁと思いますが…。

つまり八正道が実践不可能となると、四諦の教えも出家者向きであり、在家信者のためのものではないことになります。

在家向きには、次に説明する五戒が示されることになります。

参考にした本

仏教説話大系 (40) 仏陀の教え

著者:仏教説話大系編集委員会 (編集)
出版社: 鈴木出版
発行:1986/07
メディア:単行本

※この巻はひろさちや先生執筆です。シリーズ全体が豪華執筆陣。小中学生からですが、解りやすい上しっかりした内容。大人の仏教入門におすすめ。残念ながら新刊がないので、古本屋か図書館でどうぞ。