4回目 集中内観

苦しくなるほど泣く

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4回目の内観はちょっとだれました。前回に自分が母親からの愛情への満足感に乏しかった事に気づき、ひたすら母親への内観を繰り返すも、2回目や3回目のように劇的な体験を期待し過ぎたのか、それまでのような感動はありませんでした。

いま思うと心もだいぶ落ち着いてきて真剣さが足りず、そのくせ期待ばかりが先に立ち、内観することをおろそかにしたせいだったと思います。

しばらく落ち込みましたが、むしろ2回目3回目の体験が凄すぎたのだと思い直しました。

人生の問題も以前に比べずっと軽いものになっていました。家族と深刻な溝があるとか、誰かに恨まれているとか、そういう事がもうなかったからです。せっぱつまっていない分真剣さが足りませんでしたが、そういう現実自体はありがたい事でした。 

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4回目の結果はそのようなものでしたが、この頃、別の機会に2泊3日程度の集中内観をさせて戴いたことがありました。その時の経験が印象深かったのでここへ書いておきます。

この時は父からしてもらったことの解釈が変わりました。

中学時代はレコードやテープを貸してくれたり、高校時代は画集、大学時代はPCとプリンタ、卒業後は仕事(カメラマン)の手伝いなど、その時々で私が欲しがったり、役に立つものをくれたことはそれまでにも思い出していました。

しかし私は父からもらったものに全然ありがたみを感じておらず、それが父にとってどの程度のことだったのかまったく思い及んでいませんでした。

この時、改めて事実を冷静に見てみれば、お金、人脈、知識など、父は普通の人より持っているものは少なかったのに、自分が持っているもので、私が欲しがるようなもの、役に立つものは皆、その時々で全部惜しみなくくれていたことにやっと気づいたのです。

私は隣の部屋の人に迷惑と思いながら涙が止まりませんでした。むせて咳き込み、苦しくなるほど泣きました。お風呂の栓を抜くと、一気に水がそこから出ていきますが、そんな感じで溜まっていたものが一気に爆発し流れ出したような思いでした。

30分泣いたのか1時間泣いたのか。泣き終わって心がとても満たされたことをよく覚えています。そして私の人生に父がいてくれて、本当に良かったと思いました。

それまで私の記憶は、欲しかったのにもらえなかったという事ばかりでした。

しかし、それは私の欲が深かったからで、父はその都度父にとって精一杯の事をしてくれていたことが心から理解できたのです。

そういうものをくれた時、一度も恩着せがましかったこともありませんでした。

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だけど私は感謝などこれっぽっちもなく、別の嫌だった場面を勝手に拡大し、父はいつも恩着せがましかった、ケチで冷酷だった。34才で2回目の内観で間違いに気づくまで、本気でそういう思いこみながらずっと生きて来ていたのです。

私は自分がうれしくてありがたくて泣くとは、想像すらしたことがありませんでした。悲しくて悔しくて淋しくて泣いたことは何度もありましたが…。

だけど本当にそういう経験ができたのです。内観は何回やってもその度に新しいものが出てくることがよく解りました。

心(潜在意識)は本当に奥深いもので、その中には過去に自分が溜め込んできた負の感情(悲しかった、苦しかった、怒りや憎しみなど)や自己愛など、どろどろした欲望がぎっしりと詰まっています。

だからちょっと心をきれいにしたと思っても、広い家のように、また更にその奥の間があり、内観をし続けないと、なかなか深い所はきれいになっていかない。

でも内観を繰り返すことにより、深くまで進んでいけることも経験してよく解りました。どんどん、普段意識することもできない心の深い部分の傷が癒されていくのです。
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また一方で日々新しい怒りや憎しみを抱いたりして心は確実に汚れるから、日々出る汚れ物の洗濯をするような意味でも、何度でも繰り返し内観する必要があるのだと感じられました。

初めて内観したとき、父に対しては本気で「お世話になった事なんかない」と叫び、事実まったくそういう記憶も出てきませんでした。

その後も2年近く本気で「あれは特に自分に必要なものではない」と思っていたのに、縁あって4回目にはこのような体験をすることができたわけで、本当にありがたいことです。

私と同じように内観を一度経験したけどぴんと来なかったという方には、はじめは上手くいかなくても、続けることでこんな展開になることもあると知っていただければと思います。

5回目 集中内観 へ続く