内観療法とは(4)まとめ

人生に深く関わる親との関係

親に対する感情=他人に対する感情

内観では主に親(養育者)に対しての過去を思い出していきます。なぜなら親に対する心の態度が、そのまま他者への心の態度になるからです。

図解雑学 発達心理学 山下 富美代著, 井田 政則著, 山村 豊著, 井上 隆二著, 高橋 一公 著 ナツメ社

「お母さんへの愛情が、他者に対する優しさや思いやりに発達していきます」

つまり、「ママ、ありがとう」「ママ、嬉しい」…

母親にそういう気持ちを抱いている子は、ごく普通に恋人や友達に対しても、世間の他人に対しても同じようにポジティブな気持ちを持てる。愛された子ほど幸せになりやすい。では愛されなかった子はどうすればいいのか?

良好な親への気持ち = 一生の財産

職場、恋愛、家庭、友人…一生の人間関係に不信感とか、怒りとか、何らかネガティブな思いがつきまとうのは、何か換算できないレベルのダメージだと思います。親の愛情に恵まれなかった人は幸せになりやすい行動や愛を自然に学べなかった点では残念ながら不利です。

しかし、だったらリカバリすればいいんです。内観で。

とらわれから解放されるために内観する

そういうわけで、人生に損が大きすぎるので、親にネガティブな思いが残っている人には、心に溜まったマイナス感情を減らすため、内観をおすすめしたいのです。

もらっていない愛情はあげられない

貧困が輪をかける虐待

親自身も小さい頃愛情に飢えたまま、子どもを産んでいたら、愛情をあげられなかったり、怒りに任せ暴力をふるう等はよくあることです。あれば貧困もそこへ輪をかけます。

平気で子を売る親

私はドキュメンタリーで、親に売られた子供が、乞食などで悲惨な生活を生き延び数年後に会いに来た時、父親が何事もなかったように「元気か」「人ごみで見失った」と言い張る映像を見てしまったことがあります。

この父親には愛情がなかったのでしょうか。無かったわけではない。ただ、とても少なかった。(愛情も、経済的余裕も)それだけの事だと思います。

元々そんな心の人間はいない

愛情が心に溜まらないまま親になった人間はそういうもので、今はその親が好きでそうなった訳ではなかろうと解ります。

心の栄養は愛情

といったことを思い出してください。私もこれと似たことが本当に悲しかったのですが、内観して父側の事情を受け入れ許すことができ、感謝にいたり本当に心がらくになりました。

虐待の連鎖を内観で絶つ

虐待は連鎖しやすい

極端にダメな親は、やはり極端にダメな親に育てられていたりします。よく言われますが虐待は連鎖しやすいです。私の両親を見ていてもその通りです。

内観は、その連鎖を断ち切る行為です。

内観しないと見えないことは本当にある

昔は父を殺したかったです。長年の暴言に憎しみが溜まっていたので。でもこの世で一番私を愛してくれていた人は父だった事も本当なのです。

内観して私はそれが解りました。それが私の人生をどれほど支えてくれる発見か、ありがたさは本当に言葉では言えません。

1000人の女で満たされなかった人

満たされないからつきあう数が増える

私の仏教の師、藤川和尚は、在家時代にいわゆる「千人斬り」を達成したそうです。(本人の口から聞いた)自伝では愛人を日常的に持っていたようですが、別れるときは連絡もせず消えてしまい、そのドライさは相当なものです。

それなのに、それこそ鼻をかんだ後のちり紙を捨てるように棄て、気にも留めずここ迄きてしまった。心という奴は本当に移り気だ。あんなに求めあんなに執着したのに、覚めたとなると思い出すことも無くなるのだ。何人の女にうつつをぬかし、冷め、棄ててきたのか。女狂いの私は、結局は女を愛してはいなかったのだ。

—-タイでオモロイ坊主になってもうた 藤川チンナワンソ清弘 著 現代書館

幸せになりたいのに、一番遠回りな生き方になってしまうACの典型的な生き方がよくあらわれている文章だと思います。

心が変わらない限り満足はない

実は、このような慢性的な満たされなさの原因は

すべて外ではなく内(自分の心)にある

ので心が変わらない間は、出世しようが、どんな女(男)とつきあおうが、その人が満たされることはありません。心に自分を満たすだけの愛情が溜まっていないからです。

満たされないのは自分の脳と心のせい

同じ問題を長年抱えていた自分

藤川和尚の問題は、そのまま見たくなかった私の心の問題でもありました。過去にあれほど男性から「別れて恨まれた」のは、私があまりにも薄情だったからだと。

自分にとって価値がないモノを棄てるように離れたから、相手の心を深く傷つけトラブルになったと内観で分りました。

やっと求めていたものが得られた

私は20才頃に自分の心に根本的に欠けたものがあると気づきました。愛情に飢えつつ、恋愛で解決するものでもないと解っていました。治るとも思えず、ずっと誰にも言わずひとりで、その飢えと暗さを抱えていました。

内観して得られたのはこの一番求めていたものでした。一言で言うなら

 安らぎ(自分が自分でいい満足感)です。

道は必ずある

根本問題(自分の心)に手をつける

親への憎しみや怒りを放置すると不幸な人生になりがちとはお分かり頂けたと思います。

好きでそうなるわけではない事は私自身が一番よく知っています。だからこそ、真剣に自分の心を変えることに挑戦するべきというか…。繰り返しますが

平和も幸せも外にはなく、内(自分の心)にあるのですから。

心が変われば、外部環境は必ず変わる

自分の内側の心が穏やかに満たされると、外部環境(人間関係など)もそれにつれ必ず変わっていきます。

私自身は内観がなければ、短期間ではとてもここまで来られなかったので、紹介させて戴きましたが、内観に限らず道は必ずあると思います。

真剣に行えば1回で相当の効果

しかし薬の量ばかり増えたり、効果も感動もない心理治療を続けるくらいなら、1週間のまとまった時間以外には、それほどお金もかからない内観を試してみてほしいと思います。

誰もが幸せになれる脳のしくみ

本当に効果のある治療法を選ぶ

いま虐待する人も、虐待を受けて大人になった人も、相当増加していると思います。この人達の心をマジメに考えると、内観はその効果の割に時間もお金もかからず、はっきりした効果がある点で貴重な治療法だろうと感じています。

自分の心のことで悩んでいる人へ、同じ思いをした一人としていいたいのですが、育った環境からの影響を逃れられる人はいないので、あまりそういう自分を責める必要はないです。

ただどうやって心を治すかは真剣に考えた方がいいと思います。自分自身の人生だから。

幸せは外ではなく内からはじまる

内観したいなら、その気持ちを大切にしてください。一番自分に必要なものを本当は解っているから、あなたは今この文章を読んでいるのではと思います。

本当に現実を変えたいなら、まず自分の内側から変える方が早道です。

治る=持っていたマイナスがゼロになるだけじゃなく、プラスに転じる実感です。悩みを内観でプラスに転じて下さることを願っています。

内観はなぜ効果的か(おわり)